令和8年度 一級建築士設計製図試験の課題発表


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  4. 令和8年度 一級建築士設計製図試験の課題発表

一級建築士設計製図試験課題「ホテル」について、予測が困難な幅広い内容を含むもので、予測に基づくパターン化した課題による演習のみでは対応が困難です。どのような課題にも共通する建築計画上の基本的な考え方、基礎的な建築計画力の養成が重要です。

課題名

ホテル

要求図書

  • 1階平面図・配置図(縮尺1/200)
  • 各階平面図(縮尺1/200)
    ※各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定する。
  • 断面図(縮尺1/200)
  • 面積表
  • 計画の要点等

建築物の計画に当たっての留意事項

  • 敷地の周辺環境や既存建築物の現状保存に配慮して計画する。
  • バリアフリー、省エネルギー、二酸化炭素排出量削減、セキュリティ等に配慮して計画する。
  • 各要求室を適切にゾーニングし、明快な動線計画とする。
  • 建築物全体が、構造耐力上、安全であるとともに、経済性に配慮して計画する。
  • 構造種別に応じて架構形式及びスパン割りを適切に計画するとともに、適切な断面寸法の部材を計画する。
  • 空気調和設備、給排水衛生設備、電気設備、昇降機設備等を適切に計画する。

注意事項

  • 「試験問題」及び上記の「建築物の計画に当たっての留意事項」を十分に理解したうえで、「設計製図の試験」に臨むようにしてください。
  •  なお、建築基準法等の関係法令や要求図書、主要な要求室等の計画等の設計与条件に対して解答内容が不適合又は不十分な場合には、「設計条件・要求図面等に対する重大な不適合」等と判断されます。

講評

本課題の本質的な意味

令和8年度一級建築士設計製図試験の課題は、上記のように「ホテル」と発表されましたが、課題の「ホテル」にはやや違和感や戸惑いを覚えた方もおられるのではないのでしょうか。その場合、その違和感や戸惑いとは課題内容が漠然としていて、捕えどころのないような印象を与えるもので、それは昨年度の課題の「庁舎」や一昨年の課題の「大学」にも共通するもので、実は近年の多くの課題に顕著に見られる傾向であるとも考えることができます。

すなわち、従前は例えば「緑豊かな吹き抜け空間のある地域図書館」が、近年は単に「図書館」と出題されたり、従前は「高齢者施設を併設した集合住宅」が、近年は単に「集合住宅」と出題されたりするように、従前は課題の内容を具体的に示す付記がされていたものが、近年の課題では課題の内容を示す付記がないために、課題の内容が広く捕えどころのないもののように見えることになっていると考えられます。

これは本年度の「ホテル」の課題にも共通して見られる傾向であり、最近だと、平成29(2017)年度 「小規模なリゾートホテル」が、平成20 (2008) 年「ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設」がホテルの課題として出題されましたが、年を経るごとに付記の内容は少なくなっており、課題の内容が幅広く、自由度の高い課題という近年の顕著な試験傾向が浮き彫りとなっております。このように、従前は課題の内容が付記により、より具体的に示されていたものが、本年の課題では単に「ホテル」となっているため、対象の施設の内容に的を絞って、いくつかのパターンについての演習課題により準備することが非常に難しくなってきております

更に近年の課題では、課題の建物の延べ面積や階数等を課題条件に示さずに受験者自身に考えさせたり、課題で示された建物にふさわしいと思われる内容の室等を受験者自身に提案させるなど、課題の内容の一部を受験者に考えさせる、受験者の裁量の余地の多い、いわゆる自由度の高い課題条件となっていることも近年の課題の顕著な傾向としてあげることができます

以上のように、一級建築士設計製図製図試験の近年の傾向は、内容が極めて幅広いために、単に予め想定したパターンの課題による演習のみでは対応が困難なものになってきているということができます。

本課題への対策

本年度の試験課題において「建築物の計画に当たっての留意事項」として、先ず「敷地の周辺環境や既存建築物の現状保存に配慮して計画すること」と記されていることが注目されます。本年度の課題条件として敷地の周辺環境や周辺の既存建築物の保存に留意するべきことが唯一とも言える課題上の重要ポイントとして示されており注目されますが、その他の課題の内容に係わる付記等は示されていません

本年度の試験課題「ホテル」については、単にホテルといってもシティホテル、ビジネスホテル、リゾートホテル等、様々な種類のものがあり、それらはホテルとしての共通的な機能・性格を有している一方で、それぞれ基本的に異なる機能・性格を有しており、更に固有の敷地条件等を勘案すると、この課題の内容は極めて広いものとなってくることとなり、前述のように予め想定したいくつかのパターン化した課題による演習のみによる準備では対応が困難であることになってきます。
以上のような傾向の課題については、様々な多種多様な課題条件に着実に対応できるような基本的な建築計画力をしっかり身に付けておくことが極めて重要であるといえます。

設計製図試験の計画上の基本事項として、まず建築法規に係わる規定等をしっかり理解することや省エネ設計に係わる基本事項等をしっかり理解しておくことが重要であることは申すまでもありませんが、上記のような傾向の課題については、様々な課題条件に着実に対応できるような基本的な建築計画力をしっかり身に付けておくことが極めて重要であると言え、実はこのことが本来の設計製図試験の目的であるとも考えられ、近年の傾向は、まさに本来の設計製図試験の目的に沿うものとなってきているとも考えることができます。

建築計画において重要なポイントとなるゾーニングや動線についての考え方は、無論、課題条件によって実に多種多様な場合があるわけですが、その一方でそれらの根底となる考え方には、基本的にはいくつかの共通する考え方があるわけで、系統的に厳選された演習課題により、それらの共通する基本的な考え方を着実に身に付けていくことにより、多種多様な内容の課題にも適切に対応することのできる建築計画力を身に付けることが可能となります。

以上のように、近年の試験課題の傾向として、内容を特定し難いほどに広範囲な内容を含むものとなってきたことへの対応力とともに、前述のように建物の延べ面積や階数を課題条件として示さずに受験者自身に考えさせることや課題条件の建物にふさわしいと考えられる一部の室等を受験者自身に提案させるいわゆる自由度の高い近年の課題条件についての対応力もまさに実際の建物の基本設計時に設計者が検討するべき事項としても基本的な事項であり、基礎的な建築計画力を着実に身に付けることが最も重要で効果的であるといえます。

なお、本年度の設計製図試験より、法令集の持ち込みが可となった点も注目すべき点で、従来にも増して防火、避難についての規定等、特にホテル建築について重視されると考えられる事項などについて留意しておく必要があると考えられますが、法規上の問題点を予測することはある程度可能で、また設計製図試験の本来の主旨から考えて、法令集が持ち込みが可となったことを機に余りに詳細な事項が問題となる可能性は少ないものと考えられます。

本会の設計製図対策講座

本会講座の特長

本会の講座は、設計(建築計画)及び製図についての着実な基礎力の養成から着実な合格力の養成を目指すもので、先ず建築法規上の防火、避難等に係わる規定や斜線制限に係わる規定等をしっかり理解することや省エネ設計に係わる基本事項等についての着実な理解力の養成を図るとともに、特に近年の試験の傾向から、合格のための重要な鍵となる建築計画力の徹底養成を図る内容となっております。

通学、通信講座ともに全くの同一内容(同一課題数・同一添削数)で、建築計画力の徹底養成のために、全ての課題について添削指導することとしており、また、通学、通信講座ともに全ての課題について建築計画上の考え方に重点を置いたWeb動画による詳細なサポート解説(各約150分)を配信することとしております。

着実な建築計画力の養成のためには、演習課題の内容のクォリティ(質)が極めて重要となるため、本会講座では、本会会員の日本建築学会賞受賞者をはじめとする第一線の建築家であるベテラン講師陣が、着実な建築計画力の養成を念頭に系統的、段階的に作成する課題から添削指導まで一貫して担当することとしております

本会講座における各段階の演習課題の内容は、本試験課題の内容を徹底的に検討して作成したものであることにより、個々の演習課題の内容が本試験の課題内容と似たものとなることもあり得ますが、本会の講座はあくまでもパターン化した事項の記憶によるヤマを当てる式の勉強ではなく、着実な建築計画力の養成が合格へ至る最も重要で確実な道であるとの主旨から構成されております。

課題「ホテル」への対策

今年度のホテルという課題について先述の通り、最近だと、平成29(2017)年度 「小規模なリゾートホテル」と平成20 (2008) 年「ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設」がホテルの課題として出題されました。本会では経験豊富なベテラン講師陣が本年度も課題作成と添削指導を担当いたします。

本会には50余年にわたり建築士育成事業を行ってきた確かな実績とノウハウがあり、過去の演習から得られたデータと、法規・構造設備等に関する深い知見をもとに、今年度の試験に完全対応した厳選課題を用意し、添削指導を行っていきます

下記にて、過去に実施した演習課題の一部をご覧いただけます。

平成29(2017)年度 「小規模なリゾートホテル」 課題1

平成29(2017)年度 「小規模なリゾートホテル」 模試課題

※ 各課題の設計条件等は、それぞれ実施当時の法令等に基づいて作成されております。掲載している画像は、当会が過去の設計製図講座において独自に作成・実施したオリジナル演習課題の一部です。試験実施機関の公式発表とは一切関係ありません。無断転載およびAI学習への利用を固く禁じます。

設計製図対策講座

本会講座では、一級建築士設計製図試験対策講座として、全15課題10課題徹底添削および5応用課題)からなる「設計製図徹底合格力養成講座(10回コース)」を開講します。こちらの講座は通学・通信ともに同一内容(同一課題数・同一添削数)となっております。詳細は下記をご覧ください。

一級建築士設計製図講座

近年の傾向に対応し、最も効果的・効率的な建築計画力の養成を目指す設計製図講座の特長
近年は建築計画力が重視される課題が出題されている!

近年の設計製図試験の顕著な傾向として、平成21年に公表された「試験内容の見直し」以降は徐々に、予めどのような課題の内容になるか予測が困難な課題等、受験者の真の建築計画力を測る内容の課題となってきています。

最も効果的・効率的に建築計画力を養成する本会講座の特長

本講座は、近年の試験の傾向から、パターン化した事項や予想問題での記憶のみでなく、どのような内容の課題にも共通し、対応できるような、合格のための重要な鍵となる基本的な建築計画の考え方、建築計画力を最も効果的に、効率的に徹底養成する内容となっております。

各段階の演習課題の内容は、本会会員の日本建築学会賞受賞者をはじめとする第一級のベテラン講師陣が予め発表された本試験課題の内容を徹底的に分析、検討して作成したものであるため、演習課題の内容が本試験の課題内容と似たものとなることもしばしばありますが、本講座はあくまでも予想問題やパターン化した事項の記憶のみによる勉強ではなく、着実な建築計画力の養成が合格へ導く最も重要で確実な道であるとの主旨から構成され、着実な実績を上げております。

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