令和8年度 二級建築士設計製図試験の講評


課題名

商店街に建つ併用住宅(木造3階建て)

要求図書

  • 1階平面図兼配置図[縮尺1/100]
  • 各階平面図[縮尺1/100]
  • 床伏図兼小屋伏図[縮尺1/100]
  • 立面図[縮尺1/100]
  • 部分詳細図(断面)[縮尺1/20]
  • 面積表 ・計画の要点等

(注1)各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定する。
(注2)答案用紙には、1目盛が4.55ミリメートル(部分詳細図(断面)については10ミリメートル)の方眼が与えられている。

注意事項

  • 試験問題を十分に読んだうえで、「設計製図の試験」に臨むようにしてください。
  • なお、建築基準法等の関係法令や要求図書、主要な要求室等の計画等の設計与条件に対して解答内容が不十分な場合には、「設計条件・要求図書に対する重大な不適合」と判断されます。

講評

本年度試験課題の本質的な意味

令和8年度二級建築士設計製図試験の課題を見て、戸惑った受験生もおられるのではないかと考えられますが、それは本年度課題として予め発表されていたものが「商店街に建つ併用住宅」で、従前は例えば「レストラン併用住宅」や「夫婦で営む建築設計事務所を併設した住宅」のように併設する施設がどのようなものであるかが併記されていたものが、本課題では併記されておらず、全く予想できない状態の中で、更に本試験課題では、全く予想外であるともいえる「コワーキングスペース」であったことによります。本年度試験課題の特徴は、併設する施設の内容が予想し難い内容のものであったことと同時に、「コワーキングスペース」なるものが近年、徐々に普及しだしているものの、必ずしも未だ一般的なものになっているともいえない状況で、「コワーキングスペース」についての機能、意味についてしっかりとした理解がないと、この課題について対応することが難しいということにあるといえます。

先に、本年度試験課題の対象施設がどのようなものであるか発表された折りの本欄の講評で、近年の課題では、試験課題の建物の内容についての付記が記されなくなってきており、それだけ課題対象の施設の内容が特定されず、広範囲になってきていて、予測することが困難になってきている。そのため単に予想に基づく、いくつかのパターン化した演習による準備のみでは対応が困難となってきており、増々どのような課題にも対応できるような基礎的なしっかりとした建築計画力を身に付けることが重要になってきていると記しましたが、本年度の本試験の課題はこのような近年の傾向にまさに沿うものであったと言えます。

計画上の問題点

本課題の計画上の問題としては、まず住宅に併設されるコワーキングスペースについての機能、意味についてしっかりと理解されていることが計画上の前提となりますが、その他に本課題には特に以下のような計画上、注意すべき問題点が含まれています。

平成29年度の本試験課題の「家族のライフステージの変化に対応できる三世代住宅」では初めて、家族構成の将来の変化(将来の高齢者の介護、子どもの独立等を視野に入れた)をも考慮する極めて注目すべき内容の課題が出題されましたが、本課題でも将来子どもが独立した後に子ども室2室を1室にしてコワーキングスペースとして転用することを想定した計画とすることとし、その場合の関連性をも考慮して、現時点における1階のコワーキングスペース部分のフリースペースに吹抜けを設け、2階の子ども室に隣接させることが課題条件に示されています。
以上の点は、本課題における特に注目される建築計画上の重要ポイントであると考えることができます。

今後の試験問題への対応

上記のように、近年は予め発表される試験の対象の建物の内容についての付記が記されなくなってきています。このため、対象の建物の想定される範囲が極めて広範囲となり、予め想定した内容の建物についてのパターン化した課題演習のみによる準備では試験課題への対応が困難になってきています。

以上のような近年の試験課題の傾向に対しては、どのような課題に対しても有効に対応できる基礎的な建築計画力を着実に身に付けることが極めて重要であり、これは本来の設計製図試験の主旨とも考えることができます。

様々な建物における建築計画上の様相は、無論、実に種々、様々ですが、一方で、建築計画の基本的な根底ともいえる考え方については、いくつかの共通する考え方があり、それらの共通する基本的な考え方を厳選された演習課題により、しっかりと身に付けていくことが今後の試験課題への対応として極めて重要で有効であると言えます。

本会の設計製図対策講座

本会講座の特長

本会の講座は、設計(建築計画)及び製図についての着実な基礎力の養成から着実な合格力の養成を目指すもので、先ず建築法規上の防火、避難等に係わる規定や斜線制限に係わる規定等をしっかり理解することや省エネ設計に係わる基本事項等についての着実な理解力の養成を図るとともに、特に近年の試験の傾向から、合格のための重要な鍵となる建築計画力の徹底養成を図る内容となっております。

通学、通信講座ともに全くの同一内容(同一課題数・同一添削数)で、建築計画力の徹底養成のために、全ての課題について添削指導することとしており、また、通学、通信講座ともに全ての課題について建築計画上の考え方に重点を置いたWeb動画による詳細なサポート解説を配信することとしております。

着実な建築計画力の養成のためには、演習課題の内容のクォリティ(質)が極めて重要となるため、本会講座では、本会会員の日本建築学会賞受賞者をはじめとする第一線の建築家であるベテラン講師陣が、着実な建築計画力の養成を念頭に系統的、段階的に作成する課題から添削指導まで一貫して担当することとしております。

本会講座における各段階の演習課題の内容は、本試験課題の内容を徹底的に検討して作成したものであることにより、個々の演習課題の内容が本試験の課題内容と似たものとなることもあり得ますが、本会の講座はあくまでもパターン化した事項の記憶によるヤマを当てる式の勉強ではなく、着実な建築計画力の養成が合格へ至る最も重要で確実な道であるとの主旨から構成されております。

令和8年度本会講座の課題

先述の通り、本試験課題では、全く予想外であるともいえる「コワーキングスペース」が出題されました。本会では「商店街に建つ併用住宅」の課題演習を早期課題も含め、最大で11課題実施していきましたが、やはり併用されるものが、カフェやレストランといった飲食店が4課題、本屋や自転車屋といった販売店が5課題で、他に本試験課題に似た内容も含まれているものの、極めて予想することが困難であり、飲食店や販売店が併用された課題を演習された方も少なくないのではないでしょうか。

そのため、先述のとおり本会の講座はあくまでもパターン化した事項の記憶によるヤマを当てる式の勉強ではなく、着実な建築計画力の養成が合格へ至る最も重要で確実な道であるとの主旨から構成されております。

下記にて、本年度講座にて、実施した演習課題の一部をご覧いただけます。

令和8(2026)年度 「商店街の会議所との併用」 課題7

令和8(2026)年度 「レンタルスペースとの併用」 模試課題

※ 各課題の設計条件等は、それぞれ実施当時の法令等に基づいて作成されております。掲載している画像は、当会が過去の設計製図講座において独自に作成・実施したオリジナル演習課題の一部です。試験実施機関の公式発表とは一切関係ありません。無断転載およびAI学習への利用を固く禁じます。

設計製図対策講座

本会講座では、令和9年度二級建築士の設計製図試験対策講座として、課題発表前からスタートし、合格の基となる製図力と、合格の鍵となると建築計画力を徹底養成する「長期設計製図講座(20回コース)」が10月の早期講座からスタートします。本会の設計製図講座は通学・通信ともに同一内容(同一課題数・同一添削数)となっており、特に通信講座において、1課題複数添削も可能です。詳細は下記をご覧ください。

長期設計製図(課題発表前)講座

課題発表前からのスタートが合格の鍵になる理由とは?
● 早期からのスタートが合格への鍵!

大方の場合の不合格答案の主原因であり、合格のための最重要ポイントである建築計画力を身につけるためには、あくまでも付け焼き刃的準備ではなく、できるだけ早い時期から計画的に準備を進めることが合格の鍵となります!

● 建築計画力を身に付けるための早期講座!

建築計画力を身に付けるためには一定の時間が必要であるため、基本的な建築計画力を身に付けるための課題発表前からの課題演習が極めて重要で、また、建築計画の考え方には様々な建物の建築計画に共通する重要な基本的な考え方が含まれているため、課題発表前の課題演習の対象建物の種類が何であるかは直接関係ないことを理解することが必要です。
基本的な建築計画力をしっかり身に付けておくことにより、実際の試験でどのようなバリエーションの課題が出題されたとしても適切に対応することが可能となり、逆に、しっかりした基本計画力が身に付いていないと少し変わったバリエーションの課題が出題されると適確に対応することが困難となってしまいます。

建築計画力を身に付けるためには、懇切丁寧な添削指導が必須条件ですが、近年の傾向である受験者の考える裁量の余地の多い、自由度の高い高度な課題に適確に対応するために、単に、演習課題を多くこなし、一方的に添削をする従来型の指導ではなく、あくまでも、受講生自身が考える力を身につけることにより総合的な建築計画力を養うための適切な指導により、上記の基本的な建築計画力を着実に身につけることが可能となります。
このため、課題の建物についての本質的な理解、計画上の重要ポイントの理解、課題条件の適確な把握、更に受講生自身の作成した計画案の基本的な問題点についての理解等を深めるために懇切丁寧に指導します。

近年の傾向に対応し、最も効果的・効率的な建築計画力の養成を目指す設計製図講座の特長
● 近年は建築計画力が重視される課題が出題されている!

近年の設計製図試験の顕著な傾向として、平成24年に公表された「試験内容の見直し」以降は徐々に、予めどのような課題の内容になるか予測が困難な課題等、受験者の真の建築計画力を測る内容の課題となってきています。

● 最も効果的・効率的に建築計画力を養成する本会講座の特長

本講座は、近年の試験の傾向から、パターン化した事項や予想問題での記憶のみでなく、どのような内容の課題にも共通し、対応できるような、合格のための重要な鍵となる基本的な建築計画の考え方、建築計画力を最も効果的に、効率的に徹底養成する内容となっております。

各段階の演習課題の内容は、本会会員の日本建築学会賞受賞者をはじめとする第一級のベテラン講師陣が予め発表された本試験課題の内容を徹底的に分析、検討して作成したものであるため、演習課題の内容が本試験の課題内容と似たものとなることもしばしばありますが、本講座はあくまでも予想問題やパターン化した事項の記憶のみによる勉強ではなく、着実な建築計画力の養成が合格へ導く最も重要で確実な道であるとの主旨から構成され、着実な実績を上げております。

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