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平成 24年度一級建築士

 設計製図試験の結果の総評

設計課題

地域図書館
(段床形式の小ホールのある施設である。)

試験実施機関より公表された「採点のポイント」となった主な点は以下のとおりです。

【採点のポイント】

(1)空間構成
①建築物の配置計画
②ゾーニング・動線計画
③要求室等の計画
④建築物の立体構成等
(2)意匠・建築計画
①要求室の機能性・快適性等
②図面表現等
(3)構造計画
①構造種別、架構形式及びスパン割り等の計画
②梁状図及び部材の断面寸法等
(4)設備計画
①吹抜け部分における冬期の空調設備計画
②一般開架スペースにおける自然採光及び日射遮蔽の計画
③小ホールの空調機械室の位置と給気・還気ダクトのルートの計画
(5)設計条件・要求図面等に対する重大な不適合
①「要求図面のうち1面以上欠けるもの」、「計画の要点等が完成されていないもの」、又は「面積表が完成されていないもの」
②地下1階、地上2階建てでないもの
③図面相互の重大な不整合(上下階の不整合、階段の欠落等)
④「建築面積が1,225岼焚爾任覆い發痢徊瑤蓮崔浪1階を除く床面積の合計が1,800岼幣紂2,200岼焚爾任覆い發痢
⑤次の要求室・施設等のいずれかが計画されていないもの

一般開架スペース、児童開架スペース、新聞・雑誌コーナー、サービスカウンター、読書室、小ホール、展示ギャラリー、会議室、エントランスホール、カフェ、事務室、作業室、設備スペース、エレベーター、便所

⑥その他設計条件を著しく逸脱しているもの
(1)過去5年間の採点結果の区分割合
  平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年
ランク I 41.7% 41.2% 41.8% 40.7% 41.7%
ランクII 11.5% 25.8% 27.8% 30.5% 27.9%
ランクIII 24.1% 23.0% 23.5% 18.1% 18.2%
ランクIV 22.7% 10.0% 6.9% 10.7% 12.2%
○採点結果については、ランク I、II、III、IVの4段階区分とする。
○採点結果における「ランク I」を合格とする。
・ランク I :「知識及び技能」※を有するもの
・ランク II :「知識及び技能」が不足しているもの
・ランク III:「知識及び技能」が著しく不足しているもの
・ランク IV: 設計条件・要求図面等に対する重大な不適合に該当するもの
※「知識及び技能」とは、一級建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。
(2)過去5年間の設計製図試験結果
  平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年
実受験者数 合格率 実受験者数 合格率 実受験者数 合格率 実受験者数 合格率 実受験者数 合格率
合格者数 合格者数 合格者数 合格者数 合格者数
学科 48,651 15.1% 42,569 19.6% 38,476 15.1% 32,843 15.7% 29,484 18.2%
7,364 8,323 5,814 5,171 5,361
製図 9,935 41.7% 12,545 41.2% 10,705 41.8% 11,202 40.7% 10,242 41.7%
4,144 5,164 4,476 4,560 4,276
総合 8.1% 11.0% 10.3% 11.7% 12.4%
以上に採点上のポイントとして示された項目は、いずれも計画上の広範囲で着実な知識と能力を必要とする留意点であることは申すまでもありませんが、以上の中で、平成21年の試験内容の見直しとして公表された空間構成における足切り点の設定などの事項と照らし合わせ、平成24年の試験で特に注目される点は、(1)の「空間構成」、(2)の「意匠・建築計画」について要求されている計画の自由度に対応するための高度な建築計画力を身に付けておくことが特に重要な鍵であったと考えられます。
計画の自由度が高いということには、課題の条件において、受験者が考える余地が大きくなるということで、本課題では、敷地の東・南側に同一条件の道路が接しているため、どちらの側からメインアプローチを取るべきか、小ホール、吹抜けをどのように捉えて、どこに設けるべきかなどについて、高度で適切な判断が求められます。一般的に計画の自由度が高くなると、課題が高度になり、難度が高くなるといえます。
また、建築計画・構造計画・設備計画の主旨に関する記述では、特に、設備計画で上部と下部で温度差の大きくなる小ホールや、吹抜けなどの空調計画についての記述が、重要ポイントとなりました。
平成25年の試験についても、採点のポイントとして示された諸点に留意し、基礎力・応用力を着実に身に付けることが重要であることは申すまでもありませんが、特に、高度な建築計画力を身に付けておくことが、合格を確かなものとするための必須条件で重要な鍵となると言えます。

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