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平成24年度二級建築士設計製図試験の総評
二級建築士設計製図試験の課題としては、2年越しの鉄筋コンクリート造で、しかも、試験内容の見直しの1年目にあたる本年度の試験は種々の点で注目されたものでしたが、基本的には近年の試験の傾向の流れの延長線上にあるものと言えます。但し、近年の試験の内容は、徐々に難度の高い、高度の内容のものとなってきているため、本年の試験でも確実な知識と着実な建築計画力を身に付けていることが、合格するための必要不可欠な条件となっているといえます。
試験の内容については、以下のような点が主な留意点であると考えられます。
敷地の西側に公園が隣接し、また、敷地の北側と東側にほぼ同程度の幅の道路が接しているという敷地条件を充分に把握し、それらを的確に計画に生かして行くことが求められるもので、このように敷地条件を的確に生かした計画が求められるというのが近年の試験の傾向とも言え、その意味では、やや高度な内容のものとなってきていると言えます。
2階建の諸々の機能を含む施設において、1階と2階をいかに所要室、スペース機能別に合理的に分けて計画することができるかが、基本計画上の大きな合否を分けるポイントとなっていることは言うまでもありません。
課題条件の重要ポイントである多目的スペースは、室としても使えると共に、交流スペースとしても使え、また、災害時にも有効活用できる場であることが求められるもので、課題条件に対する確かな理解力とそれらを着実に計画する能力が必要とされます。この課題では、多目的スペースをいかに玄関ホール、外部空間等と結びつけて計画できたかということもポイントとなり、それらを計画に的確に反映させる能力が必要とされます。
本年度の試験内容の見直し点の一つである、設計の自由度(設計条件の一部は、受験者自身が考えて提案する)に係わる事項としては、事務室、カフェテラス、厨房の面積等について、必要人数、必要席数をもとに受験者自身が算定することが求められるものでしたが、これらは、基本的事項についてのしっかりした知識があれば対応できるものと考えられます。
以上のように本年度の試験の内容は基礎的な計画力、基礎的な知識とそれらの上に築かれた着実な応用力が身に付いていれば、対応可能なものであったといえますが、更に、近年の試験の課題の内容の傾向として徐々に難度の高い高度なものが出題されるようになってきていることには充分留意しておく必要があります。

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