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平成22年度

 一級建築士学科試験の講評

本年度の学科試験の内容は、試験制度が大幅に変更された昨年度の試験に比し、概ねやや難度が高いものとなりました。すなわち、昨年度の学科試験の程度は、試験制度の変更にもかかわらず、大方の予想に反して、従来よりも実質的に難度がやや下がった出題内容で、受験生にとっても比較的取り組みやすい設問が多かったのに対して、本年度の学科試験では、一転して、新規ともいえる高度の問題を含む、総じて難度の高い内容のものとなりました。これは、難度の低かった昨年の反動とも考えられ、また試験の内容に少しでも新味を出そうとする出題者側の意図が表された現象とも考えられます。
但し、試験の評価はあくまでも相対評価によるもので、たとえば、難問に対して受験者の得点平均点が下がれば、合格基準点も下がる可能性があるわけで、難しい試験の内容が、則試験の合格の難化に結び付くとはいえません。本年度の試験においても、各科とも、何問かの難問を除く大方の問題は、いづれも、過去の問題の類似問題を基にしたものであり、しっかりした基礎力とその上に築かれた着実な応用力があれば解ける問題で、これらの問題が確実に解けるか否かが合否の重要なポイントであることを理解すべきでしょう。
学科 I (計画)
総じて、過去の類似問題が多く出題されている中にあって、環境問題、ストック型社会等近年の社会状況をテーマとした一見新規ともみえる問題が出題されました。また、環境・設備、法規等の分野にまたがると思われる分野からの出題も注目されました。これらは、いずれも従来の問題からは新規、新傾向ともいえる問題であっても、問題の程度はそれ程に難度の高いものではなく、広範な基礎知識があれば解けるものといえます。
学科 II (環境・設備)
総じて、過去の類似問題を基にしている問題が多く出題されていますが、単なる過去問の焼き直しでなく、設問に工夫をこらし、より高度な応用力を要する問題が、環境分野、設備分野に見られました。 特に空調設備等については、比較的高度な専門的知識を問う問題が出題されている点は注目されます。
学科 III (法規)
総じて、例年に比し、やや程度の高い問題が出題されている中にあって、近年の傾向として建築士法に係わる問題が4問と出題比率が高く、また、既存不適格建築物や長期優良住宅等の住宅関係法規に関する問題もみられ、近年の社会状況を反映した問題には今後とも注意を要するといえます。
学科 IV (構造)
出題範囲は、概ね例年通りの範囲内から出題されており、難易度も概ね例年通りで、特に新規な難問の類はみられませんでした。但し、力学、構造計画等は、確実な基礎的理解が不可欠で、その上に築かれた応用力なくしては解けない良問が本年も多く出題されていた点は注目されます。
学科 V (施工)
近年、年によって相当の難問が出題される科目ですが、本年も、コンクリートの収縮亀裂、中性化、寒中コンクリートの施工等に関する専門的知識を問う高度な問題が何問か出題されました。この科目では、幅広い知識の積み重ねを要する設問が近年増してきており、今後もこの傾向は続くものと考えられます。
- 2010年7月27日 -
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